編著『21世紀の画家、遺言の初期衝動 絵画検討会2018』(絵画検討社発行)
2018年に行った「絵画検討会2018」の“書籍編”として制作。一人出版社「絵画検討社」を立ち上げ、その一冊目として2020年に刊行した。
会期前から会期中、またその後に及んで作家間でかわした膨大な会話を、各作家にとって絵画とは、描くとはどういう行為なのかという切り口で編纂。展示作品図版と合わせて収録した。
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目次:
おわりに
人物紹介
1.宮下夏子×高田マル
自己紹介としての制作紹介/私はこれを絵画と呼ぶ/「植物園の描き方」展 図録/練習曲という曲/描く必要の無さ/他者の「助け」
2.浦川大志×千葉成夫×高田マル
所作を絵画上で叩き上げる/風景が立ち上がる/幽霊の仕事/《風の景色―風景画論へ》千葉成夫/《生家へ》高田マル/「land(e)scape」展 図録/処理不可能な情報の波/描きたさ/これからの風景、これからの絵画
3.藤井雅実×高田マル
検討の誘い/《特異像(シンギュラル・イメージ)としての絵画――〈外〉の/への私的言語の享楽》 藤井雅実/そこにある価値、見いだされる価値
4.Taxxaka×秦雅則×高田マル
私たちはなにをしているのか/写真家/美術家/亡霊 /コンセプチュアルアートの「素直」さ/落書き/言葉と言語/「昔不可視だがしかし視覚化し可視/可視化された仮視だがしかし不可視」展 図録/「描くこと」の愛憎/写真作品か、絵画作品か/実感のロジック/意味なし、イメージなし/美しいこと
5.竹浪音羽×高田マル
絵が離れるとき/シーンを描く/描き方、くずし方/「夏の思い出」展 図録/記憶・記憶を描くということ/伝えたいことは白抜き/イラストレーション行為/「私」の絵になる
6.千葉大二郎×高田マル
絵画はからっぽか/「石とラッパ吹きが伝説」展 図録/不安定な伝説、不安定なイメージ/信じられないものとしての絵画/絵画というモノ、絵画というコト
画家と写真家の信心
はじめに


編著者、共著者プロフィール:
高田マル / Takada Malu
画家。1987年、神奈川県生まれ。日本女子大学文学部史学科宗教学専攻卒業、美學校修了。2016年より絵画検討会を主宰。編著に『絵画検討会2016-記録と考察、はじめの発言』。描くという行為、また、絵という存在がなにを表しているのか制作を通して考え、絵画作品や文章などを発表している。

浦川大志 / Urakawa Taishi
美術作家。1994年、福岡県生まれ。九州産業大学芸術学部卒業。VOCA2018 大原美術館賞受賞。インターネット上の画像やiPhoneのカメラロールなどを素材に、デジタルツールを身体にインストールしたようなペインティングで現代の風景をテーマに制作を行っている。

竹浪音羽 / Takenami Otoha
イラストレーター。1989年、静岡県生まれ。2012年美學校修了。パレットクラブスクール21期修了。アクリル絵の具などで絵を描く。最近はお土産、都市の風景、空や光を描くのが好き。

Taxxaka / タッタカ
美術家。1964年生まれ。1988年多摩美術大学デザイン科卒。ビジュアルユニットBit Rabbitを結成し、アートブック「appel」を発行、同名のショップを運営した。現在美術冊子「全感覚」編集発行。1999年、第13回ホルベイン・スカラシップ。「現代写真の動向2001 outer↔inter」(2001)川崎市市民ミュージアム他、個展・グループ展多数。写真、絵、音で「見ているもの」を確認する。

千葉成夫 / Chiba Shigeo
美術批評家。1946年生まれ。早大博士課程(西洋美術史)。パリ大学美術考古学研究所留学(大学博士号・1974年)。東京国立近代美術館(1975~2000年)、中部大学(2000~2016年)に勤務。主著に『現代美術逸脱史』『ミニマル・アート』『美術の現在地点』(韓国語訳)『奇蹟の器-デルフトのフェルメール』『未生の日本美術史』(中国語訳)『絵画の近代の始まり』『カラヴァッジオからの旅』等。個人美術批評誌『俳諧巷』を2002年から刊行。現代美術(特に東アジア:日韓中台)の批評を書く。

千葉大二郎 / Chiba Daijiro
1992年生まれ。美術プロジェクト「硬軟」主宰。

秦雅則 / Hata Masanori
写真家。1984年、福岡県生まれ。個展・グループ展多数。2008年、写真新世紀グランプリ。2009年から企画ギャラリー明るい部屋を運営(2011年に閉廊)。2012年より出版レーベルA組織を運営。著書に『写真か?』(鷹野隆大との共著)、『二十二世紀写真史 ~若手写真家35名との対談集~』『写真集/鏡と心中』『写真集/ZOI&HEO』等がある。日本写真史を引用する活動の後、現在も写真家として生きている。

藤井雅実 / Hujii Masami
芸術哲学研究者。ポストモダン・アートの拠点、画廊パレルゴン(1981~1986年)を主宰。『現代美術の最前線』(編著。PDF版をWEB公開)、『人はなぜゲームするのかー電脳空間のフィロソフィア』(澤野雅樹との共編著)、RMNデジタル・アートセレクション・シリーズ『レオナルド・ダ・ヴィンチ』他監修・翻訳・解説、R・ニード『ヌードの反美学』(藤井麻利との共訳)、電子テキスト「〈外〉への共振―哲学と芸術の限界とその〈外〉」(『Search&Destroy』第1号、東京造形大学)ほか。人工知能美学芸術研究会発起人。

宮下夏子 / Miyashita Natsuko
画家。1985年生まれ。2008年、東京造形大学デザイン学部写真専攻卒。モチーフに写真を引用し、絵画表現へ移行することで現れる曖昧な線や図像から、記憶の残像を集積したり、曖昧な事柄の再現を試みる。
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