個展「一人絵画検討会」
会期:2017/10/14 11:00 - 20:30
会場:無能の運命(東京)
企画:秦雅則、INNY
ただただ描くのは、無能か。わたしは描きたいから描く。見たいから描く。その描きたさや、見たさ自体を問う。それによって生まれた、絵(えがき)の存在自体を問う。そのために、描きたさや、見たさのもつヒト/人の暴力性につきあう。その暴力行為の産物であるえがきという存在、出来事の暴力性につきあう。美術史に介入、あるいは美術史を生産する以前に、今の時代のポジティブな加害者として、それにつきあう。絵は、もともとある何かを無視し、壊し、物質としても情報としても上書きできたときに生まれる。それは、これまでに語られてきた絵画史に似た話もあるが、同じではない。というか、そんな小さい差異の話をしている場合じゃない。今に立ちつつ、もっと最初の話をしなければ、始めることができない。なぜ、絵は私たちの目を奪うのか。描きたさ、見たさ、そして絵は、今日も生まれるので、まずは慌てずそれをキャッチしなければならない。ということで(?)2017年10月14日は、とりあえず河原でえがきをキャッチする。絵画検討会2017は、高田マルの一人絵画検討会となる。まずは、河原で乾杯するところからはじめる。(以上、チラシ掲載文より)
※本展は、秦雅則とINNYが東京の河原で行っていた連続企画「無能の運命」のひとつとして開催された。
台風の影響で、この日は雨の予報だった。日中はぎりぎり曇りを保っていたが、河原の草むらは連日の雨で湿っぽく、絵を描いているうちに服も靴もまんべんなくびしょ濡れになった。疲れにまかせてその場を去ると、夜には雨が降り出した。翌朝になって絵を取りに行くと、どれも雨に流れて消えていた。
撮影:飯山征明
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