個展「感情確認」

会期:2015/02/28 – 2015/03/08
会場:KOMAGOME 1-14 cas(東京)、JR阿佐ヶ谷駅近くのオフィスビル屋上
《「  」1 / x》 約110×145cm 布、墨、糸 2015年
DM掲載文
1年ほど前から、人の顔をやわやわとして布に描いたり、紙に刷るようになりました。今回はそれらを中心に展示をします。
当初は、やわやわとした布にだけ人の顔を描いていましたが、そのほかの素材・方法でも人の顔を描くようになるにつれ、「自分がなぜ人の顔を描くのか」ということについて考えるようになりました。人の顔を描くことについて、意味を後付けしたいのではなく、理由を掘りあてたいと思うのですが、そう深く掘らずとも思い至りました。あらためて言うのもバカバカしい気がしますが、「人」が「描くに値する価値ある存在」だということです。さらに言えば、私は肉体ではなく、感情の方に興味があります。
「人」は、いまも昔も山ほど描かれているモチーフです。それでもやはり、日本で生活しているいまの私は、「感情を描く」という点で「人」が描かれてしかるべき対象だと感じます。実際にかたちとして表すのは顔という体の一部ですが、描こうとしているのは肉体ではなく、感情であるということ。また、記号化・言語化の網目から落ちた表情に、感情を探っているということ。その作業を違和感なく進める自分に、イマドキらしい欲求を感じています。
…とは言うものの、「感情」にかたちは無いわけで。
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